掃除や臭い取り、さらにはボディケアに活用できると人気のクエン酸ですが、歯を白くする効果があると言われています。クエン酸は強い酸性でアルカリ性の汚れに強く、歯にこびりついてしまった汚れや色を取り除くことができます。
一方で、その効果のために弱点もあり取り扱いに注意する必要があります。歯のホワイトニングにクエン酸を使う場合の注意点についてご紹介しましょう。
クエン酸が人気の理由
家の掃除やボディケアなど幅広く活用できると人気のクエン酸ですが、体や環境に優しいことも人気の理由の一つに挙げられます。クエン酸は身近な食物に多く含まれていて、例えば柑橘類や梅干しなどが挙げられます。健康を保つのにも有効で、体内から疲労物質である乳酸を追い出す効果があります。
そのため、スポーツドリンクなどにも多く取り入れられています。水で溶かしたクエン酸水はアルカリ性の汚れに強く、トイレ掃除に最も適していると言われています。さらに、白くこびりついた水垢や石鹸カスなどもアルカリ性の汚れのため、クエン酸水に浸してこすると綺麗に落ちます。
除菌効果も期待できるため、特に夏場や湿度の高い季節にはぴったりです。もともと食物にも含まれる物質のため、吸い込んでも問題が無いことから、小さなお子さんがいる家庭やペットを飼っている家庭の掃除に大活躍します。
何かと便利なクエン酸は飲んでも問題ないことから、クエン酸は市販のオーラルケアに使われることがあります。ですが、オーラルケアに使う場合は十分に注意が必要です。なぜなら、クエン酸は歯にダメージを与えて、場合によっては黄ばみをさらに強くしてしまうことがあるからです。
クエン酸が歯を白くする理由
クエン酸を使ったマウスウォッシュや歯磨き粉などをネット上で見かけることがあります。実際、歯の黄ばみが気になる方がクエン酸を含むオーラルケア用品を使うと、黄ばみが落ちて白くなることがあります。白く見えるのは、クエン酸の酸性が歯の表面を溶かすことで汚れそのものを落とす効果があるからです。
頑固な汚れであるほど、クエン酸で落としやすいと言えるでしょう。しかし逆に言えば、歯の表面のエナメル質そのものを溶かしてしまっているので、長い目で見ると歯に良いとは言えません。クエン酸を口に含んだ状態のまま歯ブラシで擦ると、さらにエナメル質の部分が傷つき歯が脆くなってしまいます。
こうした歯の状態は酸触歯と呼ばれていて、歯の表面が脆くなっているために虫歯になり易く注意が必要な状態になります。場合によっては脆くなった表面に汚れが深く沁みつくようになり、着色汚れが悪化するというケースも見られるようです。
このように、クエン酸でのオーラルケアはリスクが高いので十分注意しましょう。
→歯を白く塗るなら歯医者?市販品?それぞれの選び方も知っておこう
クエン酸が含まれる食事にも注意
クエン酸は身近な食品にも多く含まれているので、知らないうちに歯にダメージを与えて黄ばみの原因になっていることもあります。歯を磨いても汚れが落ちない、歯が脆くなっていると感じた場合は酸触歯になっているかもしれません。
そこで、酸触歯を予防するための方法を押さえておきましょう。まず、日常で食べるもののなかにクエン酸が多く含まれていないかチェックすることが重要です。クエン酸は柑橘類や梅干し、スポーツドリンクのほかに、特にワインに多く含まれています。
これらの食物や飲料は常用する人が多く、無意識に摂取していることが少なくありません。クエン酸は健康にも効果があることから、積極的に摂取しておきたいものでもあります。ただし、酸触歯の原因になりかねないので、これらの食べ物や飲料を摂った場合は、こまめに水で口をゆすいでおきましょう。
ポイントは、いきなり歯ブラシなどで歯を磨かずにしばらく時間を置いておくことです。酸で柔らかくなったエナメル質を歯ブラシで磨いてしまうと、表面がより傷つきやすくなってしまうからです。
アルカリ性の飲料で酸触歯予防
クエン酸を含む食事や飲料を摂った場合は、口をゆすぐかしばらくそっとしておくかしておくと歯へのダメージが少なくなります。その他に、アルカリ性の飲料で酸性に傾いた口の中を中和するという方法があります。アルカリ性の飲料として挙げられるのは、日本茶や牛乳です。
特に、日本茶はフッ素が含まれているのでクエン酸で傷ついた歯の表面を補修してくれる効果が期待されます。クエン酸を豊富に含んだ食事を摂ったあとは、日本茶をゆっくり飲むという習慣づけをしておくと歯の黄ばみを防ぐことができます。
牛乳はカルシウムを多く含むことから、歯そのものを丈夫にしておくためにも積極的に摂っておきたいものの一つです。また、胃腸を保護する効果もあるため、クエン酸を多く含む食事の後にはぴったりと言えるでしょう。特に、まだ歯がしっかりとしていないお子さんのオーラルケアのためにも、クエン酸を含む果物を食べる際には牛乳を一緒に出すと歯への影響を心配せずに済みます。
重層水でマウスウォッシュ
クエン酸を含む食事や飲料による酸触歯をケアするには、重層水のマウスウォッシュもお勧めです。水や精製水200mlに、重層を2gほど入れてよく溶かしたら出来上がりです。お好みで、ハッカ油を垂らしてもかまいません。
口の中に含んでよくゆすぐという、市販のマウスウォッシュと同様の使い方をすることが出来ます。酸性に傾いた口の中を中和して、バランスを整えるのにぴったりです。さらに、重層水のマウスウォッシュは歯の表面についたタンパク質の汚れを分解するので、ホワイトニング効果も期待できます。
歯を白くしたいなら、重層水の方が安全と言えるでしょう。クエン酸は摂取しても問題なく、むしろ健康を促進することから害が無いと思われがちです。しかし、酸性のために歯にはあまり良い影響があるわけではありません。
むしろ、クエン酸そのものが黄ばみの原因になってしまうことがあります。クエン酸を摂った場合はアルカリ性の飲料やマウスウォッシュなどでしっかりとアフターケアすることが、歯を白く見せる重要なポイントになります。
クエン酸を摂ったらアルカリ性飲料で中和しましょう
歯は健康の基と言われています。無意識にダメージを与えているクエン酸の働きを見直して、こまめなオーラルケアに取り組みましょう。そのためには、普段の食生活を見直すことが必要です。さらに、クエン酸を含む食事を摂った場合は、お茶や牛乳、重層水などで中和して、小さなダメージを防いで歯の健康を保つことを心掛けましょう。