歯を白く保つことも身だしなみの一環です。少し会話を交わすだけで目に付きますし、まして黄ばみや黒ずみがあれば相手に不快感を与えかねません。日常的にケアを施して清潔感を保ちたいですね。特に歯の外側にあたるエナメル質を大事にしましょう。
色素付着や細菌攻撃を受ける場所ゆえに、もっとも歯のコンディションを左右します。
白い歯のメリット
汚らしい歯を相手に見せるのはマナー違反です。とはいえ毎日欠かさずに歯を磨いていれば、相手に不快感を与える心配はありません。ある程度の黄ばみは残るでしょうが、特別なケアを施さないのであれば許容範囲です。もし白い歯を見せることができれば、相手に好印象を与える武器となるでしょう。
単純に白は清潔感がありますし、「明るい」「誠実そう」といったポジティブなイメージをもたらします。また汚い歯を晒す心配がなくなり、口元を隠さずにコミュニケーションを取れるようになります。「よく話す」「よく笑う」、快活な人物像を描けるでしょう。
黄ばみの原因はステイン
歯を黄ばませる主な原因はステインにあります。これは食物中のポリフェノールが、唾液に含まれるタンパク質と結合したものです。食べ物であればカレーやキムチ、飲み物であればコーヒーや緑茶を摂取すると、ステインが付着しやすくなります。
そして厄介なことに、ステインが付着した歯を放っておくと、歯の奥底へステインが浸透してしまいます。そうなれば黄ばみが恒久化し、歯磨きだけでは手に負えなくなります。歯をすぐに磨けない状況では、色の濃い飲食物は避けたいですね。
細菌も大敵
食べカスを歯に付着させたまま放っておくと、それをエサに細菌が繁殖してしまいます。いわゆるプラークが形成されるわけです。プラーク自体は白色なのですが、粘り気が強いためステインを蓄えてしまい、結果的に歯を黄ばませます。
加えてプラークは唾液内のミネラルと結合し、ザラザラした歯石をつくってしまいます。歯石はプラークやステインが付着するスペースを提供し、歯磨きで取り除くことが難しい厄介者です。これも歯の黄ばみを加速させるでしょう。
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外側は白く、内側は黄色く
加齢も歯を黄ばませる原因です。そもそも歯の色には個人差があります。歯の色は外側を覆うエナメル質だけでなく、内側にある象牙質の色も混じり合って決定しているのです。
そして歳をとると、エナメル質がすり減る反面、象牙質は厚くなっていきます。
つまり表面の透明感ある白色が薄れ、奥にある象牙質の黄ばんだ色が目立ってしまうのです。これはつまり、できる限り外側のエナメル質を増やすことが、白い歯につながることを意味しています。
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うがいの習慣を
食後すぐの歯磨きを心掛けたいところですが、外出先では場所や時間の関係で、ブラッシングの余裕がないかもしれません。しかし何のケアも施さなければ、歯はすぐ汚れてしまいます。少なくとも口をゆすぐ程度はしておきたいですね。
「食後のうがい」を心掛けるだけでも、歯の付着物を減らし、延いては着色を抑えられます。うがいのコツは、「水を頬へぶつける」イメージを持つことです。食後すぐであれば、細菌や食べカスの結びつきがゆるいため、歯に水圧をかけるだけで容易に落とすことができます。
また、口臭スプレーを併用するとなお効果的です。ただしうがい薬はブラッシング前提なので役に立ちません。プラークの粘り気に阻害されて効果が薄れてしまいます。その点、口臭スプレーはニオイの元を、つまり細菌を取り除いてくれるでしょう。
キシリトール
歯を清潔に保つのであればキシリトールは外せません。虫歯菌から分泌される酸を中和して、エナメル質の消耗を抑えてくれる優れものです。あるいは虫歯菌の増殖を抑えたり、プラークを分解したり、歯にステインを付着させる原因も取り除いてくれます。
唾液分泌を促す作用もあるため、口内に潤いを与え、長時間、歯を守ってくれる点も優秀ですね。キシリトールを摂取するならば、ガムに頼るのがもっとも手軽でしょう。キシリトール配合量が50%~100%のものであれば効果を期待できます。
ただしシュガーレスのガムに限ります。糖分は虫歯菌に分解されると酸になるため、歯に悪影響を及ぼしてしまいます。
食後のヨーグルト
抗菌を期待するのであればラクトフェリンも有効でしょう。歯周組織を保護してくれるだけでなく、歯周病菌の減少も期待できます。主にヨーグルトから摂取できるため、食後のデザートを欲しいときに考慮したいですね。ただしヨーグルト製品は糖分も多量に含むため、摂らないに越したことはありません。
あくまでも「他のデザートを食べるよりはマシ」と覚えておきましょう。
ブラッシングのコツ
まず「優しく磨く」ことを心掛けましょう。ブラシに力を入れすぎると毛先が潰れてしまい、毛先が歯と歯の間に入り込めなくなります。結果的に歯の汚れが残りやすくなるのです。毛先は汚れを絡めとってくれる重要な部分ですから、1本1本丁寧に扱いましょう。
「まっすぐ磨く」ことも大切です。やはり毛先が歯にたくさん触れるよう、歯の形に合わせてブラシを持ち替えましょう。
歯ブラシだけでは不足
残念ながら、歯ブラシだけでは汚れを落とし切ることはできません。どれほど丁寧に磨こうとも、30~40%しか磨けないのが現実なのです。歯ブラシは表面を磨くには適しているのですが、隙間を磨くのは苦手で、目に見えない雑菌までは取り除けないのです。
ですから歯ブラシのほかに、デンタルフロスや歯間ブラシを用意したいところですね。細かな汚れも落としていき、エナメル質の白さを守りましょう。
歯磨き粉
当然ながら歯磨き粉も重要です。市販の歯磨き粉であっても、ステイン除去やホワイトニングを期待できます。たとえばヒドロキシアパタイトは歯の傷を埋めて、汚れの侵入を阻んでくれます。ただし歯磨き粉には除去効果の薄い成分も含まれています。
たとえば発泡剤は口の中を泡だらけにして「歯を磨いた爽快感」をもたらしてくれますが、汚れ除去は期待できません。あるいは”磨く”ことに特化した、研磨剤を多量に含む歯磨き粉も存在します。たしかに研磨剤は汚れを削ぎ落してくれますが、同様に歯も削ってしまいます。
エナメル質が薄くなって歯の色が濁ったり、歯茎を傷めて細菌が入り込んだり、歯にダメージを与えることもあるのです。なるべく低研磨性の歯磨き粉を選び、歯の外側を削らないよう心掛けたいですね。
白さの秘訣は歯の表面を守ること
白い歯を保つことには様々なメリットがありますが、実際に白さを保つのは容易ではありません。丁寧な歯磨きはもちろん、定期的なケアが必要となります。歯の白さは外側にあるエナメル質がつくり出すため、歯の表面を清潔に保つことがなによりも重要です。
色素や細菌が定着しないよう、色の濃い食べ物を避けたり、食べカスを残さない術を用意しておきましょう。